住職のおはなし

Column

突然見つかった、知らぬ間の埋葬

2022.07.21

ハムスター事件と同じく、やはりアーサーの死についてもう少し具体的に考えていたときのお話です。

墓地内を整備するためにとある檀家さんの墓地を整地した際、土の中から犬の死体が出てきました。
もちろん、私は全く記憶にありません。
亡くなってだいたい10日ほど経過した頃合いだったかと思います。
布に包まれた犬の死体と一緒に、おそらく生前に使用していたであろう首輪やステンレスのエサ箱、そのほか絶対に土に還ることのないものが色々と埋葬されていました。

当初の私は、「なぜ勝手に埋葬したり「ゴミ」を捨てたのか」とかなりの怒りの感情が湧きました。

しかし時間が経過するにつれ、当初の怒りの感情は間違っていたと思い直すようになったのです。
勝手に埋められた犬の死体は、おそらく当寺の檀家さんが亡くなった愛犬を自分の家のお墓の近くにと思って埋葬したのではないか……と、落ち着いて考えるようになりました。

私が当初ゴミと思ったものも、ゴミではなく愛犬の「思い出の品」なのです。
人間でいえば、亡くなった方のお気に入りのアイテムを棺に一緒に納めたり、お墓やお仏壇に故人が大好きだったお酒をお供えしたり。
それらと変わらない気持ちからくる行いだったのでしょう……。

なにはともあれ、知らぬ間にペットを埋葬されたり、土に還らないものを埋められてしまっては困るものです。
この出来事があってから、私はますますペット墓地の必要性を感じるようになりました。

お気持ちの区切りとしてのペット供養の必要性はもちろん、ペットが使用した遺品(特に土に還らないもの)はお寺が責任をもってお焚き上げ供養をし、飼い主の気持ちの安らぎを提供していかねばならないと思いました。

今の龍泉寺ペット墓地と当サイトの細やかな案内ページは、上記の気持ちを具現化した結果です。